今日のお目当ては、国立近代美術館で3/23〜5/16まで開催中の「あやしい絵展」。
大人1,800円税込とちょっとお高め。
国立近代美術館前の桜はとても綺麗です。
ミッドセンチュリーな建物とのコントラストも素晴らしいです。
ただ機動隊が近くにあるので、あんまり写真撮っていると職質にあうかも。
9:30のチケットを予約していたら、待ち時間無しでスムーズに入れました。
当日チケットもあるようでしたが、長蛇の列が出来ていました。予約必須です。
この展覧会は、写真撮影OK(一部の絵はNG)、ブログアップは自己責任(肖像権の関係で他人が映らないように気を付ける)で、という、割とルールの緩い展覧会です。
[稲垣仲静 猫]
美しいものだけでなく、見世物的なものや、血生臭いシーンなども。
下の人形は、「生人形(いきにんぎょう)」と呼ばれるもので、幕末から明治にかけて、本物らしいリアルさで、縁日などでの見世物興行で人気でした。この人形は、織物で有名だった桐生市の日本織物株式会社が購入したものです。
[安本亀八 白瀧姫]
女性を描いた絵が多く、神秘的、不可思議、怪奇な絵を中心に江戸〜大正を中心に見ることができます。
グロテスクだったり、退廃的だったりと、いろいろと絵の背景となった時代模様を感じながら面白く鑑賞することができました。
[歌川国芳 城四郎長茂空中に怪異を見る]
[落合芳幾 東京日々新聞]
藤島武二の描く女性は目が特徴的。一発で、藤島の作品とわかります。
[藤島武二 音楽六題]
アルフォンス・ミュシャ、ダンテ・ガブリエル・ロセッティ、エドワード・バーン=ジョーンズなど、当時の日本画壇に影響を与えた西洋画家の絵も展示されていました。和と洋の融合。
なお、私の今日の一番の目的は、妖艶なミュシャの絵を見ることです。
[アルフォンス・ミュシャ サラ・ベルナール主演 ラ・トスカ ポスター]
[アルフォンス・ミュシャ ジスモンダ ポスター]
ミュシャのリトグラフはいつか購入したいと思っています。
そのほか、甲斐庄楠音「横櫛」、橘小夢「安珍と清姫」、秦テルヲ「血の池」など、名作ぞろいです。
甲斐庄楠音(かいのしょう ただおと)「横櫛」は、青白く透き通る肌が生々しく、しばし見入ってしまいました。
[甲斐庄楠音 横櫛]
岡本神草(おかもとしんそう)の「拳を打てる三人の舞妓の習作」は3人の舞妓が拳遊びに興じている場面を描いています。
手のひらや顔には陰影があり、立体的です。展覧会のため、神草は制作が進んでいた中央の部分だけを切断して展覧会に出品したそうです。
舞妓と盆のまわりの隈も妙に浮き上がった感じで印象的です。
[岡本神草 拳を打てる三人の舞妓の習作]
江戸時代に気立ての良い美人として有名だった水茶屋の娘、おせん。
そのおせんに、徳太郎は好意を寄せるが、おせんにその気は無し。
小村雪岱「おせん 傘」では、おせんは好意を寄せる徳太郎と鉢合わせ、おせんと彼女を引き留める徳太郎のやり取りに、人だかりができる中、徳太郎の知り合いの松五郎がやってきて言い合う隙に、おせんがその場をそっと抜け出すシーンを描いています。
大きな傘がひしめき合う中での、人と人との駆け引きが印象的です。
[小村雪岱 おせん 傘]
関東大震災後の東京は、コンクリートのビルで再興され、一瞬の平和の中で、モダンガール、モダンボーイなど、自由な文化が花開いた時期です。多くの女学校もできました。
良妻賢母だけでなく、何か気だるいものを感じる、高畠華宵「少女画報 14巻号 表紙絵」は、そんな時代の女性像を描いています。
[高畠華宵 少女画報 14巻号 表紙絵]