前々から行きたかった東京国立博物館。
[上野恩賜公園 奥に東京国立博物館]
そのトーハクで開催中の聖林寺十一面観音を見に行きました。
聖林寺は、奈良県桜井市にあるお寺です。
ここにある、国宝 十一面観音立像が東京で初公開されるとのことです。
予約制(1,400円)ですが、当日空きがあれば、入れます。
今日は比較的空いていました。
十一面観音立像は、木心乾漆(もくしんかんしつ)造りという奈良時代に主流だった技法で作られています。
ある程度形を作った木に麻布を巻いて漆で形を整え、優美を保ったままコストパフォーマンスに優れた技だったわけです。
この十一面観音立像は、木心乾漆造りの代表作になります。
ある程度形を作った木に麻布を巻いて漆で形を整え、優美を保ったままコストパフォーマンスに優れた技だったわけです。
この十一面観音立像は、木心乾漆造りの代表作になります。
2mを超える仏像は、思ったよりも、ずっと大きくて迫力があります。
台座の花びらの開き方も優雅で、天平文化を感じます。
これを見るためだけに東京に来ても損は無いと思いますね。
明治の「廃仏毀釈」の際に、この仏像を守るために、大御輪寺(おおみわでら)に安置されていたのを聖林寺に移仏したことがきっかけです。
手などの繊細な表現をする部分の芯には、鉄が使われていることが、CTスキャンの結果から分かったそうです。
手などの繊細な表現をする部分の芯には、鉄が使われていることが、CTスキャンの結果から分かったそうです。
桜井市の方面は行ったことが無いので、ぜひ行ってみたいですね。
残念ながら、この特別展は、写真撮影禁止です。
今日はあいにくの雨の一日ですが、博物館日和でもありますよね。
◆
ついでに、総合文化展(平常展)も見ました。本館の1F、2F、東洋館と、ちゃんと見たら、1日では足りないと思います。
禁止となっているもの以外は、写真撮影OKです。
古代の出土品から、近代の美術まで、また金工、陶器、絵画など様々な日本のお宝が展示されています。
この平常展は定期的に入れ替えているそうです。
珍しい、猿の埴輪もありました。
[埴輪 猿 伝茨城県行方市 大日塚古墳出土 古墳時代・6世紀]
伊能忠敬ファンの私としては、重要文化財にも指定されている、「日本沿海輿地図」を見ることができて感激でした。
細かく、アイヌの人から聞いたと思われる地名がびっしりと書かれていました。
シリベシ山の記載もありましたよ。
アイヌ語は独特の発音をするので、これをカタカナに変換するのは困難を極めたのではないかと思います。
[伊能忠敬 日本沿海輿地図(北海道)]
[木曽海道六拾九次之内・高崎 歌川広重筆 19世紀]
刀の展示も多く、刃の模様で様々な作品に特徴が生まれていたのですね。
[国宝 福岡一文字助真(ふくおかいちもんじすけざね) 鎌倉時代 13世紀]
高村光雲の作品。猿が鷲を掴み、天を仰ぐ姿は本当に迫力があります。
[老猿 高村光雲作 1893年]
この国立博物館自体が貴重な歴史的建築物になっていて、本館が昭和13年に東京帝室博物館の本館として開館したときに貴賓室も作られました。天皇陛下や皇族方の休憩所として使われたそうです。現在でもVIPの待合として利用されているそうです。
[便殿(旧貴賓室)]
雨だったので、あいにく、庭には出られませんでした。
この庭園も今度じっくり見てみたいと思います。
昼過ぎに行きましたが、午後3時を回ったあたりで、スタミナ切れ。
残念ながら、東洋館までは回れませんでした。
作品点数が多すぎるのが悩み。