自分が勤める会社(研修機関)から、夏休みの宿題で出た本の中で、まずは510ページに及ぶ最も分厚い本を読みました。
どうやら、これは2012年に書かれた本で、そこから40年間で何が起こるかを著者なりの視点で解説した本です。
著者の出身国のノルウェーなど北欧などで進む環境に配慮した高度福祉国家や社会民主主義が理想であり、GDPを追い求めるのではなく、本当の豊かさとは何か、富をどう公平に分配するべきか、どう環境問題と豊かな暮らしを両立させるかを真剣に考えるべきという論調の本です。また欧米に追い付こうとしている東南アジアなどの発展途上国は、欧米のような暮らしはあきらめ無駄のない質素なライフスタイルを送るべきだととも。
かなり左派寄りで、学者チックなうんちく「グレタ」さんという感じでしょうか。
また、昨今のSDGs的な感じですが、うわべだけのSDGsは著者は否定的です。
環境に真剣に配慮した持続可能な社会の実現は誰もが合意すると思うし、私もそうあるべきと思います。
しかし、民主主義と資本主義が暴走すると、短絡的な思考に陥り、環境問題への解決は先延ばしになるが、善意で独裁的な指導者がいる国ならそれを解決できる、というのはやや飛躍した感がありますね。
特に、どうやら作者は中国びいきで、中国の管理されたやり方ならきっとうまく解決できるだろうという、非常に意味不明な結論になっています。これには強烈な違和感を覚えました。んなわけないやろ。石炭を炊まくり、臭い物に蓋をする国をヒーロー扱いですか。
また、例えば、クリーンエネルギーとされる太陽光発電も、寿命はせいぜい20〜30年くらいだし、その後の廃棄コストも馬鹿にならないし、電気の安定的供給に寄与しないし、そういった負の側面にもスポットは当てておらず、うわべだけの論調になっています。
ただ、この本では当然書かれていないし学ぶべきこともないですが、新型コロナの影響によって、人の移動や経済活動が制限されて、結果として皮肉にもCO2削減につながっている点など、新たな世の中の動きを自分なりに見つめなおすには良いかもしれません。この本から学ぶことは少ないですが。。。
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最初の30ページ程度のエピローグは、どうやってこの本を書いたのかを回りくどく書いているだけなので、時間の無駄です。
外国の本は、得てしてこういう、壮大な大風呂敷広げたような話が前段に来ることが多いのですが、中身はほとんどありません。 笑
あ、ちなみに、話はそれますが、外国人(特に欧米人)のお給料高そうなお偉い方々の基調講演なんかも同じですね。
具体的な話が無く、ぼんやりとした大風呂敷話が多く、退屈です。
例えば以下のような感じなので、得るものがほとんどありません。
・DX(デジタルトランスフォーメーション)が世界を席巻するようになるだろう。 ・我々の企業は、この分野に、30億ドルを投資した。これはすばらしい決断だった。 ・DXにより、我々やお客さまの企業活動は大きく変革を迎えるだろう。 |
また、全体を通して、何度も同じことを、手を変え品を変え、繰り返し言うので、間延び感がひどく、正直510ページも不要で、100ページあれば、書けるんじゃね?って思いますね。それこそ、紙資源の無駄だし、環境に悪い。
あと、直訳的な表現が多く、やたらと注釈のカッコ書きが多くて読みづらかったです。
私は、カッコ書きが多い文章を見ると、「あ、この人は回りくどいな」とか思ってしまい、苦手です。
posted by jouji117 at 19:00| 香川 ☀|
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